メアリ・シェリー『フランケンシュタイン』が現代に問いかける「本当の怪物」とは?廣野由美子さんによる最新刊が発売
2026年1月23日、英文学者で京都大学名誉教授の廣野由美子さんによる新刊『NHK「100分de名著」ブックス メアリ・シェリー フランケンシュタイン 本当の「怪物」は、誰なのか』がNHK出版より発売されました。NHKの人気番組「100分de名著」のテキストに大幅な加筆が施された本書では、本格的SFの金字塔として知られるメアリ・シェリーの『フランケンシュタイン』を深く読み解き、現代社会における科学と人間の関係性、そして「怪物」の真の姿について考察を深めます。

200年前の物語が、AI時代に新たな光を当てる
『フランケンシュタイン』は、科学者が「人間に似たもの」を創造するという物語を通じて、しばしば「最初の本格的SF」として位置づけられています。クローン技術、ロボット、そして生成AIといった技術が日々進化し、人類との境界が曖昧になりつつある現代において、この200年前の名作は、私たちに「共生、対立、依存、排除」といった問いを投げかけます。科学技術の進歩がもたらす倫理的な課題や、人間が「命をもてあそぶ」ことによる「怪物化」の可能性について、深く考えるきっかけを与えてくれるでしょう。
本書の「ブックス特別章」では、「AI時代のフランケンシュタイン」と題し、現代的な視点から作品が持つ意味が掘り下げられています。
SFの世界にとどまらず、もし現実にAIロボットに感情が宿ったとしたなら、彼らは人間のエゴイズムの犠牲者になるのではないか(中略)。科学技術という力を手にして「命をもてあそぶ」振る舞いがエスカレートすれば、「怪物化」するのは、まさに人間自身だと言えるのではないでしょうか。
(本書「ブックス特別章」より)
本書の構成
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はじめに『フランケンシュタイン』との出会い
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第1章 「怪物」の誕生
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第2章 疎外が邪悪を生み出す
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第3章 科学者の「罪」と「罰」
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第4章 「怪物」とは何か?
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ブックス特別章 AI時代のフランケンシュタイン
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読書案内
本書の立ち読み記事は「NHK出版デジタルマガジン」にて公開されています。
著者紹介:廣野由美子さん
廣野由美子さんは1958年生まれ。京都大学名誉教授であり、英文学、イギリス小説を専門とする学術博士です。これまでに『批評理論入門──「フランケンシュタイン」解剖講義』や『深読みジェイン・オースティン──恋愛小説を解剖する』など、数多くの著書があります。ジョージ・エリオット『ミドルマーチ』の翻訳も手がけるなど、幅広い分野で活躍されています。
書籍情報

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タイトル: NHK「100分de名著」ブックス メアリ・シェリー フランケンシュタイン 本当の「怪物」は、誰なのか
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著者: 廣野由美子
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発売日: 2026年1月23日
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定価: 1,210円(税込)
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仕様: 四六判・152ページ
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ISBN: 978-4-14-082005-6



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