VTuberと3Dクリエイターの共創による3Dアイテム流通の実証実験が開始

実証実験の背景と狙い

近年、アバターを介したコミュニケーションが広がるソーシャルVR市場は拡大を続けており、3Dモデルなどのデジタルコンテンツの制作・販売が著しく増加しています。創作物の総合マーケット「BOOTH」では、2025年の3Dモデルカテゴリの取扱高が約104億円に達し、前年比約179%の成長を見せました。

しかしながら、VTuberが3Dアイテムを制作・活用する際には、3Dクリエイターとの個別調整、制作コストの負担、収益化の難しさといった課題が、活動の継続を妨げる要因となることがあります。DNPは、2022年から「イメージアーカイブ・ラボ」を通じてクリエイターの創作活動と経済活動の支援を行っており、2025年からはVRや3Dデータを扱うデジタルクリエイターへと対象領域を広げています。

本実証実験では、発信力を持つVTuberと高い技術力を持つ3Dクリエイターが共創するモデルに焦点を当て、「VRChat」上での創作・流通・発信の仕組みを構築することで、新たな収益機会やファンとの関係構築の可能性を検証し、その環境づくりを目指しています。

VTuberと3Dクリエイターの共創モデル

実証実験の概要

今回の実証実験は、以下の3つの柱で構成されています。

1. VTuber監修3Dアイテム・アバターを販売

VTuberの「日ノ本マイ」「犬見るく」「まんさや」と、3Dクリエイターの「DEMITASS-KUN」「研究員ケミカル」「march-maru」「伊ノ本カズラ」「バーチャル餓狼ロロミ」が共創し、それぞれの個性や世界観を反映した3Dアイテムやアバターを制作しました。これらは「BOOTH」および「VRChat Avatar Marketplace」を通じて販売され、購入者は「VRChat」内で利用できます。

販売期間は2026年4月8日(水)から2027年4月7日(水)までです。DNPは、これらの購買行動や利用実態を分析し、VTuberと3Dクリエイター双方にとって持続的な収益機会につながる可能性を検証します。

VTuberコラボアバターとアイテム

2. VRChatワールドの公開

「DNPコンテンツインタラクティブシステム みどころギャラリー XR型」を活用し、「VRChat」向けのワールド(ワールドクリエイター「黒鳥」「akimin」)が公開されます。このワールドでは、VTuberの紹介、3Dアイテム・アバターの展示・販売に加え、購入した3Dアイテムやアバターを活用して交流できる場が提供されます。スマートフォンからのアクセスにも対応しており、高性能なPCやヘッドマウントディスプレイ(HMD)を持たない幅広いユーザーも参加しやすい環境を目指しました。

3. 「メタプリ」と「Piプリ」を組み合わせたバーチャル・リアル連動体験

ワールド内には、メタバース内でアバターを使って記念撮影ができる「メタプリ」が設置されています。ユーザーはVTuberのオリジナルフレームで撮影を楽しむことができ、撮影した画像はDNPの証明写真機「Ki-Re-i(キレイ)」のサービス「スマホから写真 100円Piプリ(ピプリ)」を通じてプリントし、メタバースでの体験を写真として手元に残すことが可能です。

今後の展開

DNPは本実証実験の結果をもとに、より多くの個人クリエイターが創作活動と収益化を両立できる環境の整備を目指します。また、創作活動の継続につながる、クリエイター支援サービスの機能拡充や連携・協業先の拡大を図ることで、デジタルコンテンツの流通活性化に貢献していくことでしょう。