海上自衛隊等で実証済み!『科学的根拠+αで成果を出す 戦略的勉強法』刊行

今日から成果を出すための「勉強の真実」

「わかりやすい」の裏側にある動画学習の落とし穴

「わかりやすい」と感じる動画学習は、一見効率的に思えますが、その裏側には落とし穴が存在する可能性があります。著者が海上自衛隊で勤務していた際、動画学習が導入されたものの、期待される理解度やテスト結果が得られず、最終的には成功しなかった経験が語られています。

この現象を説明する興味深い実験として、「ゴンドラ猫の実験」が紹介されています。この実験では、特殊な装置に乗せられた2匹の子猫のうち、自ら歩いて周囲の景色を見た猫Aは段差を避け、物に手を伸ばすことができたのに対し、猫Aにぶら下げられ、同じ景色を見ただけで自分では動かなかった猫Bは、視覚情報をうまく行動に結びつけられませんでした。

ゴンドラ猫の実験

この実験結果は、学習を定着させるためには、ただ情報を見ているだけでは不十分であり、自ら「動いてみる」といった身体感覚を伴った経験が必要であることを示唆しています。

成績がグングン上がる「戦略的勉強法」

移動時間も有効活用!効果的なスマホ音声学習とは?

日々の移動時間を有効な勉強時間に変える方法として、スマートフォンの音声学習が提案されています。特に「自分の声」で録音した内容は、他人の声や文字情報に比べて、自分事という手がかりがあるため記憶に残りやすいという特徴があります。教科書や参考書を目で追うだけの学習よりも、音読が記憶の定着に効果的であることが指摘されており、音声効果は「理解」よりも「記憶」に強く作用すると考えられています。

具体的な実践方法としては、まず覚えたい重要事項をまとめ、次にスマートフォンを起動して録音ボタンを押し、自分の声で重要事項を音読します。そして、自分で作成した音声を移動中に聞くことで、効率的に復習し、移動時間を勉強時間として活用することが可能です。

やる気に頼らない「集中力」は仕組みで作る!

高いモチベーションには弱点がある

多くの人は「やる気」や「モチベーション」が高いほど良いと考えがちですが、心理学の分野では異なる見解が示されています。1908年に心理学者のヤーキーズとドットソンが行った動物実験に端を発する「ヤーキーズ・ドットソンの法則」によると、最高のパフォーマンスを発揮するためには、「低すぎず高すぎず、中くらいの意欲」が適切であるとされています。

ヤーキーズ・ドットソンの法則

意欲が低すぎると「退屈」で集中力が途切れがちですが、逆に意欲が高すぎると「不安」や「パニック」に陥りやすく、結果としてパフォーマンスが低下する可能性があります。この関係性は逆U字型のグラフで表現されることが多く、モチベーションが高いことが必ずしも最善ではないことを示しています。

この法則は、高いモチベーションが自然に湧き上がるのを待つよりも、まずは「まあ、少しだけやるか」といった適度なやる気でスタートし、徐々に集中力を高めていく方が、効率的で空回りするリスクも少ないという現実的なアプローチを教えてくれます。

書籍情報

  • タイトル:科学的根拠+αで成果を出す 戦略的勉強法

  • 著者:佐々木淳

  • ページ数:208ページ

  • 価格:1,595円(10%税込)

  • 発行日:2026年4月7日

  • ISBN:978ー4ー86667ー807-8

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目次

  • Chapter1 今日から成果を出すための「勉強の真実」

  • Chapter2 成績がグングン上がる「戦略的勉強法」

  • Chapter3 結果を残す戦略的な「目標の立て方」

  • Chapter4 やる気に頼らない「集中力」は仕組みで作る!

  • Chapter5 勉強を継続する「習慣」を戦略的に整える

著者プロフィール

佐々木淳氏プロフィール写真

佐々木 淳(ささき・じゅん)

下関市立大学教養教職機構准教授。
1980年、宮城県仙台市生まれ。東京理科大学理学部第一部数学科を卒業後、東北大学大学院理学研究科数学専攻博士前期課程・東北大学大学院教育学研究科総合教育科学専攻博士課程後期を修了し、博士(教育学)の学位を取得されています。
元防衛省海上自衛隊数学教官、元代々木ゼミナール数学科講師という経歴を持ち、数学検定1級、思考力検定1級、G検定、統計士、データ解析士など多岐にわたる資格を保有しています。
大学在学中から指導経験を積み、中学2年生の最下位クラスを、山本五十六式メソッド(「やってみせ、させてみて、ほめて」伸ばす)で開成・早慶付属校合格選抜クラスの平均を超えるまでに導いた実績があります。
海上自衛隊では、数学教官としてパイロット候補生の教育に大きく貢献し、事務官等としては異例の3級賞詞を2度受賞されました。
著書には『身近なアレを数学で説明してみる』(SBクリエイティブ)、『世界が面白くなる! 身の回りの数学』(あさ出版)などがあります。