異領域の専門性が交錯する対話から生まれるデザイン・アートの可能性
創刊号となる『デザイン学の再構築へ』には、2026年4月に新設された立命館大学デザイン・アート学部の教員22名による11篇の対話セッションが収録されています。本書では、アートとAI、伝統芸能とテクノロジー、祇園祭とデザイン理論といった、多岐にわたる専門分野が交錯し、新たなデザイン・アートの可能性を探ります。
対話のテーマとペアの設定は上平崇仁氏が担当し、現代アート、建築、サービスデザイン、伝統文化、考古学など、異なる専門領域の研究者、デザイナー、アーティストである教員陣が、互いの共通点を見出し、新たな視座を構築していく内容となっています。本書で語られる「デザイン学」は、教室に留まらず、社会をデザインの視点でどのように結びつけ、導いていくべきかという実践的な学問を提示します。
収録されている対話セッションは以下の通りです。
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アートとAI、創造性のコラボレーション:迎山和司(デジタルアート)× 橋口哲志(知覚メディア、感性情報)
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デザインと環境、世界を共有していくために:中山雅人(フィジカル・サイバー空間デザイン)× 上平崇仁(デザイン文化)
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デザインと歴史、デザインされ返す人間の行方:井登友一(サービスデザイン、イノベーション)× 山下範久(デザイン・アートと国際社会)
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アートと建築、感覚のための空間:飯沼洋子(現代アート、フィジカルアート)× 木村 智(建築理論、建築史)
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知覚と体験、多面的な視点の獲得:北本英里子(建築情報学、xR[クロスリアリティ])× 松葉涼子(美術・工芸、伝統文化)
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地域文化と行政デザイン、土着の幸せを描く:前﨑信也(地域文化)× 中山郁英(行政とデザイン)
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伝統芸能とテクノロジー、身体の可能性を拡張する:大島 陽(デジタルデザイン表現)× 岡田万里子(身体表現、音楽、芸能文化)
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集団と個人、データから見える世界:桐村 喬(地理空間情報)× 杉山直磯(デザイン評価・分析)
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アーカイブと創造、風流なデザイン態度:赤間 亮(デジタルアーカイブ)× 磯邉美香(コミュニケーションデザイン)
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祇園祭とデザイン理論、継承と新たな意味創造:佐藤弘隆(京都文化遺産)× 八重樫 文(デザイン理論)
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過去と未来、レジリエンスからの読み解き:小田裕和(ストラテジックデザイン)× 中村 大(考古学)
「対話」である理由──世界、他者、自分への入口として
本書が「対話」形式で構成されている背景には、八重樫文氏が学部開設準備中に抱いた「言葉にすると消えてしまいそうなものを、つなぎとめておくための場所」という構想があります。八重樫氏は、現代のデザイン・アートが直面する社会的課題に対し、一人で考えるのではなく、二人で対話することで生まれる「ずれ」や「誤解」に向き合い、自身の思考が外に出て世界と接触する瞬間を重視しています。対話は、世界、他者、そして自分自身への入口となるという考えが、本書の根底に流れています。
書誌情報

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書名:RDA叢書 デザイン学の再構築へ
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編著:立命館大学 デザイン・アート学部
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著者:迎山和司、橋口哲志、中山雅人、上平崇仁、井登友一、山下範久、飯沼洋子、木村 智、北本英里子、松葉涼子、前﨑信也、中山郁英、大島 陽、岡田万里子、桐村 喬、杉山直磯、赤間 亮、磯邉美香、佐藤弘隆、八重樫 文、小田裕和、中村 大
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発行所:株式会社コンセント
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発売日:2026年4月4日(土)
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仕様:A5判、256ページ
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定価:税込2,970円(2,700円+税)
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ISBN:978-4-909290-06-9
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主なご購入先:
立命館大学 デザイン・アート学部、大学院 デザイン・アート学研究科について
2026年4月に開設された立命館大学デザイン・アート学部および大学院デザイン・アート学研究科は、京都の衣笠キャンパスを拠点に、未来志向のデザイン学とアートの技術・感性を基盤とした教育・研究を展開しています。自然科学と人文・社会科学領域を横断する学びの環境を提供し、美的感性に裏打ちされた「問題解決力」「問い直し力」「共創力」「問題発見力」「創造的思考力」を総合的に備えた人材の育成を目指しています。
- 学部、研究科サイト:https://www.ritsumei.ac.jp/da/
株式会社コンセントについて
株式会社コンセントは、「デザインでひらく、デザインをひらく」をミッションに掲げ、企業や行政のデザイン活動を支援する会社です。サービスデザインの視点と技術を活かし、デザイン経営や事業開発、マーケティング、ブランディングなど、戦略策定から実行まで一貫したサポートを提供しています。また、「コンセントデザインスクール」の運営を通じて「デザインの知の活用」を広く共有し、誰もがデザインの視点を身につけ、問題解決に役立てられる社会の実現に貢献しています。
- コーポレートサイト:https://www.concentinc.jp/
