Art Collective “TeaRoom”がヴェネチア・ビエンナーレ2026公式サテライトイベント「Personal Structures」に参加

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世界最高峰の舞台、ヴェネチア・ビエンナーレへ

株式会社TeaRoomと株式会社丹青社は、2023年5月に業務提携を結び、日本文化を基盤としたアート・工芸の新たな価値創出と海外市場開拓を目指して協業してきました。この提携は、B-OWNDが持つ工芸アーティストとのネットワークと、TeaRoomが培ってきたナラティブ構築や体験提供のノウハウを融合させることを目的としています。

2024年には米・国際アートフェア「SCOPE MIAMI BEACH 2024」で茶会を通じた作品を発表するなど、これまでにも国際的な舞台での活動を重ねてきました。そして今回、その集大成として、世界最古にして最大規模の国際美術展であるヴェネチア・ビエンナーレの公式サテライトイベントへの参加が実現します。

ヴェネチアの街並みとイベント告知

ヴェネチア・ビエンナーレ2026とは

ヴェネチア・ビエンナーレは、1895年に創設されて以来、130年以上にわたり時代の精神を映し出してきた芸術の殿堂です。イタリア・ヴェネチアの歴史的都市空間を舞台に、各国代表館による展示や世界各地から選抜されたアーティストによる企画展が開催され、現代美術の潮流を決定づける国際的な場として位置づけられています。

2026年の開催回は、分断と再編が進む世界情勢の中で、芸術が社会とどのように関係し得るかを問う重要な節目となるでしょう。ヴェネチアという歴史都市が会場となることで、過去と未来、伝統と革新が交差する、文明の対話の場としての機能が期待されています。

公式サテライトイベント「Personal Structures」概要

  • 展示会名: 『Relational Logic — Beyond Dualism, a World Reconnected』(和訳:関係の論理 — 二元論を超え、結び直される世界)

  • イベント名: Personal Structures 2026(ヴェネチア・ビエンナーレ2026 公式サテライトイベント)

  • 会期: 2026年5月9日(土)~11月22日(日)

  • 会場: Palazzo Bembo(Riva del Carbon, 4793, 30124 Venezia VE, Italy)

歴史と芸術が交差する「パラッツォ・ベンボ」

会場となるパラッツォ・ベンボは、リアルト橋を臨むカナル・グランデ(大運河)沿いに位置する歴史的建造物です。15世紀に完成した壮麗なヴェネチア・ゴシック様式を代表し、ルネサンス期には多くの文化人が集った名門ベンボ家の邸宅でした。2011年からはヨーロピアン・カルチュラル・センター(ECC)の拠点となり、現在では世界中の現代アートや建築が交差する国際的な文化発信の場として活用されています。

本展では、この由緒ある宮殿の2階・メインエリアを使用し、数百年刻まれた歴史の重厚さと、日本の革新的なアート工芸の表現が融合するサイトスペシフィックな空間が創出されます。

展示コンセプト:『Relational Logic — Beyond Dualism, a World Reconnected』

現代社会は、「善か悪か」「自然か人工か」といった二項対立(二元論)によって分断されがちです。本展は、こうした近代的な「分別」の制度を問い直し、東洋古来の「縁(関係)」や「空(くう)」の思想に基づき、分断された価値を再接続する試みです。

鑑賞者は、パラッツォ・ベンボの7つの展示室を巡るプロセスを通じて、「分けて理解する」見方から「関係を捉え直す」見方へと移行し、境界が溶け合う新たな美の体験を目撃することでしょう。

茶道のようなパフォーマンスを行う男性

伝統的な儀式に参加する人々

Art Collective “TeaRoom”について

Art Collective “TeaRoom”は、日本の茶の湯を起点に、分断を前提としない美と関係性のあり方を探求するアートコレクティブです。茶の湯を単なる飲食の作法としてではなく、器・空間・所作・人・時間などが同時に立ち上がり、五感を通じて関係性そのものを経験させる「総合芸術」として捉え活動しています。

500年以上にわたり「共に在ること」の形式を更新し続けてきたこの文化的技法を背景に、TeaRoomは現代社会を覆う「二項対立」の境界を揺さぶります。その活動は展示やパフォーマンスに留まらず、茶葉の生産や流通、文化教育、さらには国際的な文化事業へと拡張されており、アート、産業、文化といった領域を分断することなく、一つの生態系として編み直すプロデュースを行っています。本展では、鑑賞を参加へと反転させる体験を通じ、分断される以前の世界を問いかけます。

コメント

TeaRoom 代表 岩本涼氏

「私たちはこれまで、『対立のない優しい世界を目指して』という理念のもと、産業と文化、都市と地域、日本と世界といったあらゆる分断を横断する実践を続けてきました。今回、企業という枠組みを超え、Art Collectiveとしてヴェネチア・ビエンナーレという世界最高峰の舞台に立てることを、心より光栄に思います。」

和装の岩本涼氏

「対立が激化する世界に対して、私たちは『一盌の茶を通じて何ができるのか』という問いを創業以来問い続けてきました。茶の湯は勝敗を決める場ではなく、価値を共有し、関係を編み直すための場です。器は単なる物ではなく、空間は単なる背景ではなく、所作は単なる形式ではありません。それらはすべて、関係を立ち上げるための構造として存在をしています。」

「本展『Relational Logic — Beyond Dualism, a World Reconnected』では、近代が前提としてきた二元論を問い直し、『分けること』ではなく『結び直すこと』によって世界を捉え直す試みを提示します。500年以上にわたり更新され続けてきた茶の湯の思想は、いまこそ国境や文化を超えた対話の基盤となり得ると信じています。」

「ヴェネチアという歴史と革新が交差する都市において、日本の文化が育んできた『関係の論理』を提示すること。それは単なる展示ではなく、文明間の対話への小さな提案です。本展が、分断を前提としない世界の可能性を静かに問いかける場となることを願っています。」

丹青社 B-OWNDプロデューサー 石上 賢氏

「2019年にスタートしたB-OWNDは、今年で7年目を迎えます。これまで国内外で工芸とアートの境界を拡張する様々な実験を繰り返してきましたが、本展はその集大成であり、過去最大のプロジェクトとなります。近代が推し進めてきた『分断』の制度を問い直し、東洋古来の『縁』や『空』の思想によって世界を結び直すこと。それが本展のテーマ『関係の論理』です。」

「この壮大な挑戦は、参加アーティストや協力企業をはじめとする多くの皆様の多大なるご支援により実現へと至りました。重層的な歴史が交差するヴェネチアの地から、二元論を超えた日本の美意識と文化の新たな可能性を、世界のアートシーンへ向けて力強く発信していきます。」

B-OWNDについて

B-OWNDロゴ
2019年に株式会社丹青社が立ち上げたB-OWNDは、工芸の「歴史性」と「時代性」を融合させ新たな価値を創出するアート・工芸作品のプラットフォームです。ブロックチェーンによる作品の真正性担保や、空間デザインの知見を活かした体験価値の創出、IPとの協働など、アートを固定された枠組みから解き放ち、文脈や関係性を再設計する「プロデュースの総合体」として活動しています。
ウェブサイトURL:https://www.b-ownd.com/

株式会社丹青社について

丹青社ロゴ
「こころを動かす空間創造のプロフェッショナル」として、店舗などの商業空間、博物館などの文化空間、展示会などのイベント空間等、人が行き交うさまざまな社会交流空間づくりの課題解決をおこなっています。調査・企画から、デザイン・設計、制作・施工、デジタル技術を活かした空間演出や運営まで、空間づくりのプロセスを一貫してサポートしています。
コーポレートサイト:https://www.tanseisha.co.jp/

株式会社TeaRoomについて

TeaRoomロゴ
株式会社TeaRoomは、「対立のない優しい世界を目指して」を理念に掲げ、2018年に創業しました。代表者の茶道経験を背景に、文化と産業の関係やその衰退に課題意識を持ち、茶産業のエコシステム再編や新たな需要創出に取り組んでいます。アートや工芸とともに、日本文化や茶の湯の価値を活用した事業を展開し、海外輸出や海外での茶の教育・評価制度整備など、文化や産業、社会の始まりとなる仕組みづくりを多様なステークホルダーとの共創によって進めています。
コーポレートサイト:http://tearoom.co.jp
採用サイト:https://career.tearoom.co.jp/
Instagram:https://www.instagram.com/tearoom_japan/
X:https://twitter.com/TeaRoom_Japan

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