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JTB、東京大学との産官学連携で次世代IT人材育成プログラムを始動

プログラム始動の背景と目的

近年、日本では企業のデジタル化が遅れ、総務省の調査(2023年)によると、50%以上の企業がデジタル化を未実施であることが示されています2。また、AI・データ解析の専門家が在籍する企業は21.2%に留まっています3。経済産業省の推計では、2030年までに最大80万人のIT人材が不足する可能性が指摘されており*4、これは日本の通信業界の国際競争力低下に直結する重要な課題です。

本プログラムは、このような背景を踏まえ、MWC Barcelona 2026を実践フィールドとして活用することで、体系的な人材育成システムを構築することを目的としています。企業の新規事業創出、学生のグローバルキャリア形成、そして日本社会全体のデジタル化推進に貢献することを目指しています。

連携プログラムの概要

この育成プログラムは「次世代通信の羅針盤、イノベーションリーダー育成プログラム~産官学連携で挑む、世界最先端の学びと実践~」と名付けられています。

主な連携事項は以下の通りです。

  • MWCを活用した実践的な通信業界人材育成プログラムの共同開発・運営

  • 企業と学生による協働型海外展示会視察・調査・レポーティング

  • 事前・事後ワークショップを通じた体系的な学習機会の提供

プログラムの体制と役割分担は以下の通りです。

  • JTB: プログラムの設計、造成、提供(プラットフォーム機能)を担当します。

  • 東京大学中尾研究室、長谷川史樹氏(三菱電機): プログラムの価値と質の担保を担当します。

  • 国立研究開発法人科学技術振興機構(JST): 支援機関として参画します。

2026年度はトライアル実施として、企業3~4社と学生3名が参加する予定です。

提供価値と差別化ポイント

本プログラムは、参加者と企業それぞれに独自の価値を提供します。

  • エンドユーザー(学生)への便益: グローバルな最新技術やビジネス動向を体感し、企業との深い相互理解を通じてマッチング精度を向上させ、実践的なプロジェクト推進スキルを習得できます。

  • 企業メリット: 体系的なオープンイノベーションを推進し、優秀な若手人材との接点を構築できます。また、社員の士気向上や周辺社員への刺激効果、新規事業創出のヒント獲得が期待されます。

  • 競合優位点: 海外展示会を活用した産官学連携による人材育成は国内初の試みです。従来の「行くだけ」の展示会参加から、目標設定、協働調査、成果共有といった体系化されたプログラムへと転換し、より実践的な学びを提供します。

プログラム内容

具体的なプログラム内容は、渡航前、渡航中、渡航後に分かれています。

  • 【渡航前】

    • 事前オリエンテーションにおいて、企業と学生が混成グループを組み、共通の目標やテーマを設定します。
  • 【渡航中】

    • MWC現地にて、協働でのブースツアー、技術セミナーへの参加、現地企業との交流を行います。
  • 【渡航後】

    • 企業の新入社員研修や中堅社員のグローバル視野拡大研修として活用できます。

    • 学生にとっては、就職活動を見据えた深い企業理解と自身の活躍イメージ構築の機会となります。

    • 共同レポート作成を通じて、実践的なビジネス提案スキルやプレゼンテーション能力の向上を目指します。

関係者からの期待の声

株式会社JTB ビジネスソリューション事業本部 第二事業部長 清水徹也氏

「本プログラムは、当社が推進する『交流創造事業』の具現化として、人材交流を通じて日本の通信業界発展に貢献する社会課題解決型の取り組みです。産官学の強力な連携により、次世代を担うグローバルリーダーの育成と日本企業の国際競争力強化を支援してまいります。」

東京大学大学院工学系研究科教授 中尾彰宏氏

「本プログラムは、世界最大級の通信展示会MWCを実地で体験することにより、学生が次世代通信技術とグローバルな産業動向を自らの目で捉え、研究と社会実装を結び付けて考える力を養う極めて意義深い取り組みです。産官学連携の枠組みの中で、技術・ビジネス・政策が交差する現場に触れる経験は、将来の研究テーマ設定やキャリア形成に大きな示唆を与えます。本学から世界へ挑戦する志を持つ人材が育つことを強く期待します。」

長谷川史樹氏 三菱電機株式会社 通信システムエンジニアリングセンター

「本プログラムは、近年深刻化しているIT人材不足の中でも、特にワイヤレス分野に焦点を当て、次世代リーダーの育成を目指す取り組みです。グローバルの最先端技術に触れることで、世界や日本の現在地を正しく把握し、今後の活動の大きな一歩となるきっかけを得ていただけることを期待します。」
長谷川氏は、XGMFプロジェクトリーダー(※1)や5G-SDC運営委員長(※2)を務めています。

今後の展望

JTBは、2035年ビジョン「『新』交流時代のフロンティア企業」の実現に向け、本プログラムを重要な一歩と位置づけています。「交流創造事業」を推進する企業として、産官学の連携をさらに深化させ、単なる人材育成に留まらない、持続可能な社会貢献へと昇華させていく決意です。

具体的には、2028年には参加企業10社・学生30名への拡大を目指し、より多くの企業と学生がグローバルな最新技術に触れ、実践的なスキルを習得できる機会を提供していく予定です。また、本プログラムで得られた知見やネットワークを活かし、日本のデジタル化を加速させる新たな事業創出や、地域社会の活性化にも貢献してまいります。

JTBは、これからも「人」と「情報」の交流を促進することで、未来を担う次世代IT人材の育成を支援し、日本の国際競争力強化、ひいては持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

引用・注釈情報

1 先端国際共同研究推進事業(ASPIRE:Adopting Sustainable Partnerships for Innovative Research Ecosystem)は、日本の科学技術力の維持・向上を図るため、政策上重要な科学技術分野において、国際共同研究を通じて日本と科学技術先進国・地域のトップ研究者同士を結び付け、日本の研究コミュニティにおいて国際頭脳循環を加速することを目指す事業です。
2 総務省「令和5年版 情報通信白書」各国企業のデジタル化の状況(2023年)https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r05/html/nd24b210.html
3 総務省「令和5年版 情報通信白書」各国企業のデジタル化の状況(2023年)https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r05/html/nd24b210.html
4 厚生労働省「IT・デジタル人材の労働市場に関する研究調査事業」調査報告書(2024年3月)https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001244078.pdf

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