長崎県波佐見町がふるさと納税の「寄附分散化」を推進、地場産業「波佐見焼」の持続可能な未来へ

ふるさと納税制度改定がもたらす課題と波佐見町の挑戦

2025年10月に予定されているふるさと納税制度の改定(ポイント付与の廃止)は、寄附の動向に大きな変化をもたらすと見られています。ポイント還元率をきっかけとした「セール」の機会がなくなることで、寄附のタイミングが年末に集中する「駆け込み寄附」が加速する可能性が指摘されています。

長崎県波佐見町においても、過去には12月の寄附金額の半数以上が最後の5日間に集中した実績があり、この傾向は今後も続くと予想されています。このような年末の寄附一極集中は、生産現場にこれまでにないほどの業務負荷をかけることになります。

波佐見焼の伝統と生産現場の課題

波佐見焼は、型作り、成形、絵付け、窯焼きといった各工程を異なる専門工房が担う「分業制」によって支えられています。この分業制は高品質な製品を安定して供給する上で大きな利点となりますが、同時に、どこか一つの工程で受注過多が発生すると、産地全体の生産ラインが停滞してしまうという課題も抱えています。

二人の男性が大量の陶器を積んだ台車を大きな窯の中に押し入れている様子。工場のような場所で、陶芸品の焼成準備をしている場面です。

年末に寄附が集中すると、生産が追いつかずに配送が数か月遅れる事態が生じたり、無理な増産によって職人の皆様に過度な負担がかかったりする恐れがあります。これは、波佐見焼という伝統的な地場産業、ひいては産地全体の存続に関わる深刻な問題となりかねません。

「833(はさみ)の日 感謝祭」で寄附の分散化を促す

こうした課題に対し、波佐見町は「寄附時期を分散させ、生産現場の負荷を軽減したい」「寄附者の皆様へ確実かつ丁寧に返礼品をお届けしたい」という願いを込めて、「ゆとりを持って応援してもらえる仕組み」を考案しました。それが、令和8年3月3日の「833(はさみ)の日」と町制施行70周年を記念した「833の日 感謝祭」です。

町制70周年を記念した「833 thanks campaign 感謝祭」の告知画像。様々な波佐見焼の食器が並び、可愛いキャラクターと共にキャンペーン期間(1月17日~3月31日)が示されている。

この感謝祭は、2026年1月17日から2026年3月31日までの期間限定で実施されます。波佐見焼を中心とした一部の返礼品について、この期間に申し込むことで、生産現場はゆとりを持ったスケジュールで製造・発送が可能になります。この協力への感謝として、期間限定の寄附金額で返礼品が提供されます。

感謝祭の詳細は以下のサイトで確認できます。

持続可能なふるさと納税の形を追求

波佐見町は、ポイント付与の廃止により、ふるさと納税が「お得」という側面だけでなく、「地域・産地への応援」という制度本来の目的に立ち返る良い機会だと考えています。

木製のテーブルに様々な色やデザインの陶器の皿、ボウル、グラスが並べられています。手で白いボウルを置いている様子が写っており、食卓を彩る食器のコレクションが魅力的な一枚です。

寄附者の皆様が一年を通じて心にゆとりを持ち、安心して波佐見町を応援できる環境を整えることで、ふるさと納税が職人の技術を守り、次世代へつなぐための確かな力となることを目指しています。本質を見失わない持続可能なふるさと納税の形を追求していくとのことです。

波佐見町は、長崎県のほぼ中央に位置する人口約1万4千人の町で、波佐見焼の産地として全国的に知られています。皆様からの温かいご寄附は、魅力的なまちづくりに活用されています。

波佐見町ふるさと納税サイトはこちらです。