SNS時代の身体運動と言説を考える
近年、YouTubeやSNSでは、走り方や歩き方に関する様々な情報が数多く流通しています。「ナンバ歩き」や「昔の日本人の歩き方」「武士の身体操作」といった言葉が広く使われる一方で、庶民の日常的な歩行を示す正確な歴史資料は限られており、言葉やイメージが先行している側面も否めません。
こうした身体言説を無批判に模倣した結果、膝や股関節の違和感、姿勢の不安定さなどを訴える例が、臨床やケアの現場から報告されています。「正しい身体の使い方」を求めること自体が、かえって人を追い詰めてしまう状況も生じているのです。
身体と精神の関係性への問いかけ
一般財団法人スピリチュアリティ・リサーチセンター(SRC)では、技法の正誤を論じるのではなく、「なぜ人は『正しい身体』を求めるのか」「身体運動と精神(スピリチュアリティ)はどのように結びついているのか」という根本的な問いを重ねてきました。
その検討の中で、武術や伝統芸能に残る身体操作の知見が参照され、SRCの問題提起を受けてNPO法人心躰研究会SEWが、柔道整復師やパーソナルトレーナーなどの専門家とともに、身体の安全性と再現可能性を重視した身体操作の考え方として「和軸(わじく)式健康法」を体系化してきました。
普通の歩き方ではすぐに疲れる、加齢とともに歩きにくくなるという声も聞かれます。

和軸歩行でらくらく、というイメージもあるかもしれません。

古武術や古典芸能には、現代とは異なる歩行法が残されていると考えられています。
第10回SRC特別講座の目的
本講座では、和軸式健康法などの特定の技法を紹介することを目的とはせず、身体運動と精神の関係に目を向けながら、現代社会にあふれる身体情報をどのように読み解くべきかを考えます。特定の身体技法や健康法を勧めるものではなく、身体と精神の関係をあらためて落ち着いて考えるための講座です。
対面会場では、和軸・古武術・刀術などに由来する身体感覚への理解を深めるための補足的な試みとともに、和軸インストラクターや柔道整復師からのコメントを交えながら、講座内容を立体的に捉えていく予定です。
講師陣紹介
筆頭講師
伊藤 耕一郎
関西大学大学院 博士課程後期課程修了。博士(文学)/宗教学研究。NPO法人ホリスティック医学協会 認定療法士。古武術・佐久良流躰駆術 近畿地区指導員(三段)。

コメンテーター
清水 りさか
NPO法人心躰研究会SEW 和軸式健康法インストラクター/執行理事。心体(身体と心の関係)をテーマとした学会で口頭発表を行い、関連分野の査読論文を発表している在野の理論研究者。身体運動が認知や判断、自己感覚にどのように関わるのかを理論的に整理し、和軸式健康法の体系化にも関与しています。本講座では、理論的観点からの補足的なコメントを行います。

植田 昌孝
国際東洋医療専門学校 修了、近畿医療専門学校 修了。柔道整復師・鍼灸師。潜水士・CMAS インストラクター。元RKC,SFGインストラクター(RKCでは日本人2人目)。現在、柔道整復師を主軸に和軸式健康法 近畿地区インストラクターとして準備中です。

開催概要
日時:2026年2月11日(水)17:30~
形式:対面+オンライン(ハイブリッド)
会場:広田山荘(兵庫県西宮市)
申込:SRC公式LINEより受付
※対面:5名まで/オンライン:人数制限なし
参加費:対面 3,000円(税込)/オンライン 無料



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