稽古場レポート
公演まで3週間と迫った12月下旬、稽古場では演者たちの熱のこもった声が響いていました。富江/中村アヤカ役の佐倉薫さん、中村保子役の高森奈津美さんを中心に、森光夫/雪夫役の野津山幸宏さん、小泉リョウ/岩田忠夫役の高塚智人さんが椅子に並んで座り、セリフのやりとりを行っていました。また、物語を“語り”として進める村上ロックさんは、演者たちの動きを確認できる位置に座り、全体を俯瞰していました。

稽古は原作の世界観を忠実に再現しつつ、特に「声」の迫力が際立っていました。リョウが富江との過去を保子に話し、協力を求めるシーンでは、高塚さんが抑えきれない感情を荒々しい声で表現。それに応える高森さんの保子役も生々しく、息遣いからも緊迫感が伝わってきます。保子とアヤカ(富江)のやりとりでは、佐倉さんのまろやかで蠱惑的な声が、絶世の美少女「富江」を現実のものとして立ち上がらせていました。そこに怪談師としても活躍する村上さんの語りが加わることで、さらに恐怖感が増していく様子がうかがえました。
休憩中には、緊張感のあった佐倉さんと高森さんに野津山さんが優しく話しかけ、芝居の確認をする場面も見られました。ムードメーカーの野津山さんのおかげで、稽古場は和やかな雰囲気に包まれていました。


座談会インタビュー
近年、世界的な評価が改めて高まっている伊藤潤二氏。その代表作である『富江』が朗読劇として蘇るにあたり、佐倉薫さん、高森奈津美さん、野津山幸宏さん、高塚智人さん、村上ロックさんに、意気込みや現在の心境を伺いました。
オファーを受けた時の気持ち
佐倉さんは「大好きな『富江』の富江役を私に?!と本当にビックリしたが、光栄で嬉しい」と語り、自身とは真逆の性格の役を演じることに期待を寄せました。高森さんは「朗読劇という形で生々しく演じられるのが面白そう」と、富江に振り回される保子の役どころに魅力を感じているようでした。野津山さんは、普段美形の役をあまり演じないため、ハンサムな画家・森光夫役に驚きつつも、「富江と張り合うくらいの役なので、やりがいがある」と意気込みを語りました。高塚さんはホラーが苦手だったものの、有名な作品に関われる喜びを感じ、「ホラーというジャンルに留まらない『富江』の魅力に気づいた」と話しました。村上さんは高校生の頃からのファンで、作品との出会いを懐かしそうに語りました。

『富江』との出会い
高森さんは大人になってから読んだと明かし、「多感な時期に読んでいたら人生が狂っていたかも」と作品の衝撃を語りました。佐倉さんは幼い頃から祖母の妹の家で『富江』を読んでいたといい、その大叔母が「見えないものが見える人」だったというエピソードも披露し、キャスト陣を驚かせました。高塚さんは「ホラー好きな方は話し方が巧い」と、村上さんと佐倉さんの語りにゾワゾワするとコメント。村上さんはそれを「職業病」と笑い飛ばしました。

役を演じてみて
佐倉さんは「私は一番美しい!」という気持ちで富江を演じていると語り、「自分のことがあまり好きではなかった私にとって、富江役は最高に振り切れる役」と、役者としての喜びを表現しました。高森さんは、富江に振り回される保子という素直なキャラクターを楽しく演じている一方で、「10代から80代までを演じるため、保子の人生をきちんと表現することを意識している」と語りました。野津山さんは、森光夫のプライドが富江との関係でどう変化していくか、葛藤を表現する難しさを述べ、「音だけなので絶命シーンをどう表現するか考え中」と明かしました。高塚さんは、トップモデルから人生を狂わされていくリョウ役を「振り幅が激しく楽しい」と話し、20代から老人までを演じることで「ひと役なのに何役もやっている感覚」だと語りました。
このシーンに注目してほしい
野津山さんは「音だけで観る人に想像させるのが朗読劇の面白さ」と語り、稽古場で組み込まれたリアルなSEに感銘を受けたことを明かしました。佐倉さんは「富江は美しくないと成立しないが、グロテスクな部分も音で表現するため、塩梅が難しいが醍醐味」と、朗読劇ならではの魅力を語りました。高塚さんは『富江』の絵柄の美しさやクリーチャーの芸術性を挙げ、「グロテスクでありながら引き込まれる表現に注目してほしい」と語りました。
富江が目の前に現れたら
高森さんは「ワケワカラン!としんどく感じる」と正直な気持ちを述べ、佐倉さんは「言うこと聞いちゃうかも」と、女性は二つのタイプに分かれるかもしれないと話しました。野津山さんは「とことん魅了される!」と即答し、村上さんに「殺される気満々じゃないですか」と突っ込まれていました。高塚さんは「人生はもう諦める。運命に抗えないと原作には描かれているので」と語り、村上さんから「富江のほうが自分を選ばないかもしれないですよ?」と問いかけられると、野津山さんと共に「あっ、そうか…」と複雑な心境をのぞかせ、笑いを誘いました。
お客様へのメッセージ
村上さんは「年齢を重ねるごとに富江の解釈は変わる。この朗読劇を見てまた変化するかもしれない。そこを楽しみに来てほしい」と語りました。高塚さんは「ホラーが苦手な方にも、この朗読劇はジャンルを超えて楽しめる」と、幅広い層への来場を呼びかけました。野津山さんは「寒い時期にホラーだが、それも富江には相応しい。マルチキャストで様々な面白さを楽しめる」と述べ、高森さんは「いろいろな富江と周囲の人間関係が描かれるのが面白さ。リアルな富江を楽しみに来てほしい」と語りました。佐倉さんは「子どもの頃から大好きだった『富江』の世界に入り込めるのは幸せ。私も“増殖した富江”の1人になったつもりで頑張る」と、力強くメッセージを送りました。
公演概要
公演名
Lemino presents アニマックス朗読劇「富江」
公演スケジュール
2026年1月12日(月・祝)~18日(日)全10公演
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1月12日(月・祝)18:30開場 19:00開演
- 出演:佐倉薫、井澤詩織、中澤まさとも、高塚智人、村上ロック
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1月13日(火)18:30開場 19:00開演
- 出演:佐倉薫、紡木吏佐、増元拓也、寺島惇太、たっくー
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1月14日(水)18:30開場 19:00開演
- 出演:伊藤かな恵、福圓美里、中澤まさとも、岩崎諒太、はやせやすひろ(都市ボーイズ)
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1月15日(木)18:30開場 19:00開演
- 出演:佐藤日向、伊瀬茉莉也、増元拓也、仲村宗悟、九十九黄助
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1月16日(金)18:30開場 19:00開演
- 出演:松井恵理子、紡木吏佐、野津山幸宏、笠間淳、はやせやすひろ(都市ボーイズ)
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1月17日(土)12:30開場 13:00開演
- 出演:内田彩、福圓美里、山下大輝、寺島惇太、たっくー
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1月17日(土)15:30開場 16:00開演
- 出演:内田彩、伊瀬茉莉也、山下大輝、竹内栄治、たっくー
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1月17日(土)18:30開場 19:00開演
- 出演:松井恵理子、伊瀬茉莉也、野津山幸宏、竹内栄治、村上ロック
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1月18日(日)12:30開場 13:00開演
- 出演:井上麻里奈、高森奈津美、河西健吾、阿座上洋平、九十九黄助
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1月18日(日)15:30開場 16:00開演
- 出演:井上麻里奈、高森奈津美、河西健吾、阿座上洋平、はやせやすひろ(都市ボーイズ)
会場
ヒューリックホール東京(東京・有楽町)
〒100-0006 東京都千代田区有楽町2丁目-5-1 有楽町マリオン11F 阪急メンズ東京側
会場アクセスはこちら: https://hulic-theater.com/access/
チケット料金
全席指定 11,000円(税込)
チケット発売所
https://eplus.jp/animaxreading-tomie/
当日券
全席指定 11,550円(税込)
※当日券は会場で現金での支払いのみとなります。詳細は公式HPをご確認ください。
公式HP
https://www.animax.co.jp/animaxreading/tomie202601/
公式X
あらすじ
『伊藤潤二傑作集1 富江<上>』より「画家」、『伊藤潤二傑作集2 富江<下>』より「通り魔」「トップモデル」「老醜」を朗読劇化。
幼い頃、母と妹のアヤカと共に忘れられない絵画を見た中村保子。それは新進気鋭の画家、森光夫による「富江」という女性を描いた絵画で、森光夫もまた「富江」の魅力に取り憑かれた一人でした。やがて保子の妹アヤカは、家族の誰にも似ていない美少女となり、保子はアヤカが絵画の中の美女「富江」にそっくりなことに気づきます。同じ町にアヤカと瓜二つの美少女たちがいると噂が広がり、彼女たちは「本物は一人でいい」と、自分の虜になった少年たちを利用して殺し合いを始めます。そんな中、保子に近づくのは、かつてトップモデルだった小泉リョウという男。彼もまた富江に翻弄された一人で、保子に“とある協力”を依頼するのですが……。
キャスト
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富江/中村アヤカ
佐倉薫、伊藤かな恵、佐藤日向、松井恵理子、内田彩、井上麻里奈

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中村保子
井澤詩織、紡木吏佐、福圓美里、伊瀬茉莉也、高森奈津美

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森光夫/雪夫
中澤まさとも、増元拓也、野津山幸宏、山下大輝、河西健吾

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小泉リョウ/岩田忠夫
高塚智人、寺島惇太、岩崎諒太、仲村宗悟、笠間淳、竹内栄治、阿座上洋平

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語り部
村上ロック、たっくー、はやせやすひろ(都市ボーイズ)、九十九黄助

原作
伊藤潤二 『伊藤潤二傑作集』(朝日新聞出版刊)
脚本・演出
烏丸棗 劇団『牡丹茶房』主宰
主催
株式会社NTTドコモ、株式会社アニマックスブロードキャスト・ジャパン
制作
Age Global Networks
制作協力
style office
ロビー運営
スーパーエキセントリックシアター
協賛
株式会社イープラス、株式会社ファミリーマート
著作権表記
© ジェイアイ/朝日新聞出版 © Animax Broadcast Japan.
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