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広島県神石高原町に希望の産声!元・鎌倉の医師が「消滅可能性自治体」で挑む新たな命のインフラ

消滅可能性自治体での挑戦

神石高原町は、福山市中心部から車で約40分の場所に位置し、急速な少子高齢化と過疎化が進む中山間地域の町です。平成16年の合併時には12,000人余りだった人口は、現在約7,600人にまで減少しています。これまで町内には産婦人科や小児科がなく、住民は医療サービスを受けるために町外へ出ることが常態化しており、これが若い世代の転出にも繋がっていました。このような状況において、産科や小児科の誘致は困難であると長らく考えられていました。

元・鎌倉の医師が過疎の地に最新医療を導入

この厳しい現状に対し、神石高原町出身でまちづくり企業「株式会社MSERRNT」の代表である丹下大氏の「故郷を守りたい。神石高原町が変われば日本中の地方自治体が変わる」という強い想いに共感し、立ち上がったのが日下剛医師です。日下医師は、それまで鎌倉のクリニックで院長として活躍していました。2025年春に家族と共に神石高原町へ移住し、これまでの知見を活かして、分娩台を使わない分娩「オキシトシンバース」を導入する事業をゼロから推進してきました。開院準備と並行して、日下医師は町内外の住民、女性、子ども、助産師などに対して地道に活動内容を説明し、賛同者を増やしていきました。

産婦人科・助産院・小児科が連携する「神石のたまご」

日下医師が目指す「神石のたまご」は、段階的にその姿を実現してきました。2025年9月2日には婦人科診療がスタートし、10月2日には助産院が開院。さらに11月4日には小児科診療も開始されました。この結果、出産前後のケアから新生児の健康管理まで、地域住民の「産む・育てる」を一貫してサポートできる体制がわずか数ヶ月で確立されました。

そして、開院から約3ヶ月後の2025年12月15日、ついに助産院で初めての出産を迎えました。
新生児を抱く夫婦

この小さな命の誕生は、一家族の喜びにとどまらず、町全体に大きな希望と活力を与える出来事として受け止められています。

オキシトシンバースとは

オキシトシンバースは、子宮を収縮させるホルモンが脳から最大限に分泌されるよう環境を整え、腹圧をかけずに子宮の収縮のみで出産する方法です。この方法は、赤ちゃんへの負担を軽減し、母親の身体を傷から守ることが期待されています。出産時にオキシトシンが脳から分泌されることで、産後の幸福感が増し、赤ちゃんへの愛着形成を促すと考えられています。出産は、家族の絆を深め、幸せな育児生活を送るための原点とされています。

今後期待される広がりと地域活性化

「神石のたまご」の誕生は、神石高原町における「妊娠~出産~子育て」の一貫したサポート体制の第一歩を意味します。産婦人科・助産院・小児科が連携することで、切れ目のない安心な医療と関わりが可能となり、地元での出産・育児を選択する町民が増えることが期待されます。
この取り組みは、若い世代が安心して住める環境を整え、人口流出の抑制、さらには移住・定住の促進へと繋がり、町全体の活性化に貢献することが期待されています。

関係者のコメント

日下剛医師
「『神石のたまご』で産婦人科の院長、助産院の嘱託医師として、初めてのお産に関われたことを心から嬉しく思います。私たちは、自然分娩の中でも世界で最先端の考え方を取り入れた、分娩台を使わない『オキシトシンバース』を提唱し、実践していきます。この医療過疎の地で生まれた小さな命が、最高の形で迎えられ、その後の人生を歩めるよう、スタッフ一同、最善を尽くしてサポートしてまいります。今回の初誕生は、単なる出産を超え、この町に『希望の火』が灯った瞬間だと感じています。この小さな助産院から、過疎の町の未来を変える挑戦を続けてまいります。」

神石高原町長 入江嘉則氏
神石高原町長
「日下先生という素晴らしい医師をお迎えし、産婦人科を開設していただきましたこと、何よりも初めての赤ちゃん誕生の報に接し、町をあげて感激しております。この『神石のたまご』は、単に医療を施す場ではなく、消滅可能性に立ち向かう神石高原町の未来を象徴しています。誰もが困難と諦めかけていたこのプロジェクトが実現し、新しい命が誕生したことは、この町が再び活力を取り戻し、持続可能な地域へと『再生』していくための大きなきっかけになると確信しています。今後も、安心して子どもを産み育てられる環境づくりに全力を尽くしてまいります。」

施設概要

  • 名称: 神石のたまご産婦人科

  • 代表者: 日下 剛 医師

  • 所在地: 広島県神石郡神石高原町坂瀬川5146番地18

  • 診療科目: 産婦人科、小児科

  • 電話番号: 0847-82-3058

  • 公式URL: https://jintama.jp/

神石のたまご内観
神石のたまご外観

広島県神石高原町について

神石高原町は、標高400m~600mの冷涼な気候を有する「高原のまち」です。豊かな土壌、澄んだ空気や水といった条件に恵まれ、トマト、こんにゃく芋、ニューピオーネなどの生産が盛んです。また、全国で評価の高い広島県産神石牛といった産品も多く生産されています。国定公園「帝釈峡」などの自然環境や歴史的・文化的資源を活かし、都市との交流を進めています。「挑戦のまち」を掲げ、誰もが挑戦できるまちを創造し、先端技術の活用などにも積極的に取り組んでいます。

株式会社MSERRNT(マサーント)について

株式会社MSERRNTは、2022年に神石高原町出身の丹下兄弟によって設立されたまちおこし企業です。創業当時、故郷が「何も行動しなければ消滅してしまう」という危機に瀕していたことから、「神石高原町が変われば日本が変わる」という強い信念のもと、補助金や助成金に頼らない自立したまちづくりを目指し、活動しています。

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